東海銀杏会通信

No.5
発行日 H11. 7. 1
発行人 東海銀杏会
編集人 藤村 哲夫


◆東海銀杏会事務局  〒453-0042 名古屋市中村区大秋町2丁目51番地 (株)カーネルコンセプト内 TEL 052-482-8088 FAX 052-482-8867 E-Mail icho@kernel.co.jp

このページはメンバーに郵送される東海銀杏会通信をホームページ化したものです。写真はクリックすると大きくなります。


平成11年度 総 会

幹事・広報委員 浅野道子(35経)


 3月15日(水) 「メルパルク」 において、 平成11年度東海銀杏会総会が開催されました。 恒例により、 総会に先立ち、 幹事総会が開かれ、 各委員会の活動報告と総会提出議題の内容の審議がおこなわれました。

総   会

 木戸泰明幹事 (42工) の司会により16時から総会を開催。 議長に松本省吾会長 (12法) を選出、 平成10年度の活動報告を田辺邦博代表幹事 (28法)、 決算報告を岡田啓作幹事 (42法)、 監査報告を永井恒夫監事 (35法) がおこない、 続いて、 会則の一部変更が審議、 承認されました。 会則の変更内容は、 本会の目的の中に 「社会への貢献」 を入れたことと、 会の一層の充実を図るべく役員の定員枠を増やしたことです。
 続いて田辺邦博代表幹事から平成11年度の活動計画と予算案が説明され、 原案通り可決、 承認されました。 出席者約100名。

講演会 (要旨別掲)

ビッグプロジェクト 中部新空港の話を傾聴

 16時30分より中部国際空港(株)平野幸久社長(36工) の講演 「中部新空港の開港に向けて―― 21世紀へのチャレンジ ――」 が田辺和夫事務局長 (37工) の司会で始まり、 平野氏から、 新空港に向けてのこれまでの経緯、 現状、 これからの予定などを経営理念を交えて熱っぽく語られ、 活発な質疑応答がおこなわれました。

懇 親 会

司会の猪子恭秀幹事(57法)

 18時15分より猪子恭秀幹事 (57法) の司会で懇親会に入り、 松本会長の挨拶に続いて、 田辺代表幹事から現状と総会の報告があり、 その中で会員の一層の増強と財政基盤の充実の必要性が強調されました。
来賓挨拶の加賀山朝雄氏 (25経)

 来賓としてご出席の東京大学同窓会連合会代表幹事・東京銀杏会代表幹事加賀山朝雄氏 (25経)、 連合会幹事・関西東大会代表幹事薩摩和男氏 (49法)、 連合会幹事・千葉銀杏会事務局長岩原武司氏 (46法) を代表して加賀山氏にご挨拶を頂きました。 ご挨拶の中で、 支部拡大の動きの状況説明に加えて、 先輩格の東海銀杏会の活動への期待のエールが送られました。 続いて、 滝季夫副会長 (29法) の乾杯の音頭で懇親に入りました。
 「ただ一つ」もモノにして

 約2時間の歓談の後、 八谷周策 (38法)、 渡辺勲 (39法)、 白神賢志 (40法)、 松林正之 (41農)、 井手峻 (42農) の諸氏の壇上でのリードによって応援歌 「ただ一つ」 を全員で合唱し、 内藤明人副会長 (23工) の挨拶で終宴になりました。

 前回同様、 4階 「橘の間」 で2次会に移り、 約30名が出席して、 21時過ぎまで楽しく語らい合いました。
いつもながらの盛況 懇親会場 「東海銀杏会もなかなかやるわい」と来賓の三氏 左から薩摩・岩原・加賀山氏 受付嬢に囲まれご機嫌の田辺事務局長(37工)


平成11年度総会講演要旨

中部国際空港の開港に向けて

―― 21世紀へのチャレンジ ――

中部国際空港(株)
取締役社長 平野幸久 (36工)


平野 幸久氏わが国の PFI の先導的役割
 PFI は 「民間の資金を導入し公共事業を行う方式」 としてイギリスで始まりました。 イギリスでは、 法律も制定され民と公の責任やリスクの分担など明解で実績もあります。
 中部国際空港のプロジェクトも民間の資金と人材が投入され 「PFI のモデル事業」 といわております。 日本では、 法律が未整備で仕組みもはっきりしておりませんが、 私どものプロジェクトが 「PFI の先導的役割を果たせれば」 と思い頑張っております。

地元の熱意
 中部国際空港は地元の自治体や経済界が積極的に必要性を訴えてスタートしたプロジェクトです。 85年に発足した 「中部新国際空港建設促進期成同盟」 や 「財団法人中部空港調査会」 などの活動を通した地元の熱意が国を動かしました。 これは成田や関空と大きな違いで、 地元の皆様から、 大変なご支援をいただき仕事もスムースに進んでおります。

中部の経済規模と新空港の必要性
 中部圏の経済規模は、 愛知・岐阜・三重の3県だけでも韓国とオーストラリアの間 、 北陸などを加えた9県ではスペイン カナダを上回ります。 これを見ても<中部に国際空港が必要>ということはご理解頂けると思います。
 一方名古屋空港は平成9年度で、 旅客数1,000万人強・貨物量約15万トンとなっており、 今後の伸びを考えると21世紀初頭には限界に達する事が予想されています。 また、 航空貨物について見ると、 名古屋空港では中部地区の輸出入とも20〜30%程度を扱っているにすぎません。 中部地域には、 大きな潜在需要があり、 私たちの目の付け所と思っております。
>空港の概要
 中部国際空港は、 第1種空港で、 建設予定地は愛知県常滑市沖、 滑走路は3,500m1本、 24時間空港で、 開港目標は2005年です。 工事日程については漁業補償交渉や環境アセスメントが終わっていないため具体的に説明できませんが、 きわめて厳しいスケジュールです。

会社の基本理念
 現在約120人の社員が20程度の組織から派遣されておりますが空港建設にはこれだけ幅の広い分野の人材が必要な事業であると思っております。 いろいろな経歴の人の考え方を統一するため基本理念をつくりました。
 その骨子は次の通りです。

  1. 利便性・経済性に優れた国際ハブ空港づくり。
  2. お客様第一。
  3. 環境への配慮と豊かな地域社会づくりへの貢献。
  4. オープンでフェアーな企業行動。
  5. 健全経営の実現。
  6. 自由闊達で風通しの良い企業風土の確立。

 至極当たり前の事ですが、 これを実行するにはいろいろ努力をしなければなりません。 日々の業務を進めるに際しては、 みんなで十分議論し的確な落とし所を見出したいと思います。

利便性の追求

 私たちは航空機を利用されるお客様だけではなく空港で働く人を含めすべての人たちが使いやすい空港を目指していきたいと考えています。
具体的には以下の事を検討しております。

  1. 便数の確保に向けたエアポートセールスの展開。
  2. 高度なサービス品質の維持・管理を目的とした ISO9000シリーズの認証取得。
  3. チェックインカウンターの共有化の検討。
  4. 旅客 来港者 従業員が快適に過ごせる魅力あるサービスの提供。

経済性の追求
 当社は民間会社ですので、 ともかく利益を出し健全経営に努め、 また、 配当も出来るだけ早く出せるようにしたいと考えています。 そのため、 支出面では、 空港費用の8割を占める固定費の削減に全力を尽くします。
 収入面では、 航空機の発着料に代表される航空系収入と飲食店や駐車場などの施設利用料などの非航空系がありますが、 航空系は極力押さえ、 航空便数を増やす事に繋げたい。 そのためにも、 非航空系の収入を増やすための、 あらゆる努力をしたいと考えています。

環境への配慮
 環境保全には、 あらゆる技術を導入し、 環境面での模範的な施設となるよう努力していきます。 主な保全策は次の通りです。

  1. 空港島と対岸部との最小海域幅を1.1kmとり、 海水の流れを良くするとか、 島の形を曲線にし海流を乱さないようにするなど工夫。
  2. 航空機騒音に配慮し、 滑走路を100m沖へ出したり針路を変更。
  3. 冷暖房にはエネルギー効率の高いシステムの導入の検討。
  4. 護岸は自然石をもちいた傾斜堤を基本に、 一部護岸に岩礁性の藻場を創出し生物の生育環境に配慮。

 この他70項目にわたる環境対策を検討しています。

地域活性化への貢献
 いろいろと地域に貢献したいと考えているが空港会社だけでは考えられない事も多くあります。

 「空港のうまい活用法」 について地域からのご提案をいただければ、 と思っております。

プロジェクトの効果
 このプロジェクトの経済効果について、 東海総合研究所の試算では中部地区だけでも生産誘発効果が5.6兆円、 雇用誘発効果が42万人、 全国で見るとそれぞれ2倍という極めて大きな効果となっています。 社会・文化効果は、 数字ではかれませんが、 国際交流の活発化や蓄積情報の充実など大きなものが期待されます。

最後に
 私たちの目指す方向は、 「人が集まり、 貨物が集まり、 飛行機が集まり、 ますます便利になる事により、 また人が集まり、 貨物が集まり……というような良いスパイラルを創りあげる」 ことです。
 今後とも、 皆様のご支援お願い申し上げます。


東京大学同窓会連合会

第3回定例総会

代表幹事・渉外委員長 長谷川秀曼 (32法)


 去る6月7日(月)、 東京駅丸の内近くの日本工業倶楽部で東京大学同窓会連合会第3回定例総会が開催され、 東海銀杏会から松本省吾会長 (12法) と私が出席しました。
 出席者は、 東海銀杏会の他、 東京銀杏会、 関西東大会、 千葉銀杏会、 神奈川銀杏会、 茨城銀杏会、 福岡銀杏会、 鹿児島銀杏会の9地区同窓会の代表でした。 この他に、 連合会参加の同窓会としては、 熊本淡青会と特別会員の生損保銀杏会があります。 外国人留学生を支援する法律家の会 (ALIS) も結成中との報告がありました。
 平成10年度 (第2期) 事業報告のうち、 主なものは次の通りです。

  1. 「大学との連携強化」 のための大学副学長、 大学幹部と連合会の懇談会の開催。
  2. 「東京大学外国人留学生への支援」 について、 蓮見後援会長 (大学総長) からの協力要請に基く各地区同窓会への働きかけ。
  3. 「同窓会組織拡大」 に関して、 各地に於ける同窓会設立状況と相互交流についてのフォローアップ。

 続いて平成10年度の決算報告があり、 平成11年度 (第3期) の事業計画とその予算案が提出され審議の後に全て承認されました。 第3期の主な事業計画としては、 第2期の行動の一層の強化に加えて、 東京大学ホームページにリンクさせて連合会のホームページを開設し、 各地区同窓会のホームページとも連携して、 情報交流を一層活性化することなどが挙げられています。 最後に次期役員を決定して終了しました。


地域同窓会 紹介

チームワークを誇る 神奈川銀杏会   

藤村哲夫 (29工)


 神奈川銀杏会は、 平成5年12月16日、 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで吉川弘之総長 (当時) を迎えて第1回総会・懇親会を開催して発足した。
 「神奈川銀杏会会報」 創刊号に鶴見俊一副代表幹事が 「神奈川銀杏会誕生の記」 として設立の経緯を詳しく報告しているので、 その中から抜粋する。
 設立のきっかけは、 千葉銀杏会と同じく、 一昨年解散した銀杏会本部の呼びかけによるものであった。 設立に当たって何人かの有志に声をかけたところ、 大学が積極的に支援するならば応じるという意見が大勢を占めた。 それを受けて、 平成5年5月の本部銀杏会総会に出席して吉川総長に設立総会への出席をお願いして快諾を得て設立への動きが本格化した。

 平成4年7月1日に有志による設立準備の第1回の会合を持ち、 その後、 数回会合して、 世話人30名、 会長候補清川謹三氏 (14医・清川病院理事長) を決め、 設立準備を整えて第1回総会・懇親会にこぎつけた。
 総会・懇親会の案内状12,000部を用意し、 15名の世話役が秋の休日も返上して、 案内状の封筒詰めや宛名シール貼りをやり、 192名の出席を得た。 このように、 有志のチームワークでつくった同窓会である。
 現在の組織は、 会長、 副会長 (7名)、 代表幹事、 副代表幹事 (3名)、 幹事 (15名) 監事 (2名)、 幹事兼事務局長、 事務局員、 広報担当 (2名)、 同好会幹事 (囲碁会、 ゴルフ会、 旅行会、 朝食会、 昼食会・各2〜3名) で構成されている。

 初代会長清川謹三氏が健康上の理由で辞任されたので、 現在は副会長曽山皓氏 (24法・元神奈川県副知事) が会長代行に就任している。
 会員約400名、 年会費5,000円、 年1回会報 (8頁) 発行、 秋に総会・懇親会を開催している。

 同好会活動は次の通りである。

神奈川銀杏会事務局:

地元同窓会 紹介4

法曹みどり会

大西正一 (50法)


 法曹みどり会は、 愛知、 岐阜、 三重の東海3県に在住する東大出身の法曹者を会員として、 15年位前から続いている由緒のある同窓組織です。
 裁判官、 検察官、 弁護士、 公証人及び司法修習生で構成され、 昨年度の該当会員は175名にのぼります。 最近の司法試験合格者を見ても東大卒が第1位ですし、 近い将来合格者も1,000人に増加すると言われていますので、 該当会員は、 今後急速に増加していくものと期待しています。
 当会は極めてボランタリーな組織で、 年会費は会員から一律に徴収することはせず、 例会 (懇親会) の参加者から例会費の外に些少のカンパを頂き、 会員名簿作成費や通信費等に当てています。 役員も、 会長等の要職は置かず、 例会開催と名簿作成のための幹事のみで、 比較的若手の弁護士から10名弱が担当し (正確には担当させられ)、 順次若い期に引き継がれています。
 主な活動は、 会員の親睦を図る例会の開催で、 毎年11月初め頃に開催しています。 また、 それに間に合うように、 その年度の会員名簿を作成し、 会員全員に配布しています。
 会員は、 官・検・弁の法曹三者とその卵の司法修習生ですが、 例年、 職業分野では検察官、 地域では岐阜と三重の法曹関係者があまり例会に参加していただけないのが残念です。 また、 司法修習生は会員ですが、 お客様扱いで、 例会日も司法修習生が後期修習のため司法研修所に帰る直前の11月初めに 「送り出す」 気持ちを込めて開催していて、 例会費も徴収しない習わしになっています。
 昨年度の例会は、 11月10日(火)にアイリス愛知 (名古屋市中区丸の内) で開催され、 40名余りの参加がありました。 2時間余り、 参加者の皆様に近況報告や最近の法曹界への感想等を順次述べて頂き、 職業分野や年齢の垣根を取り払って和やかに歓談し、 最後に参加者全員で母校の応援歌 「ただひとつ」 を高らかに熱唱して、 法曹界でのお互いの活躍を誓い合いました。
 今後は、 年1回の例会だけでなく、 ゴルフコンペの開催等趣味の面でも親睦を図っていきたいと思っています。
 なお、 法曹関係の同窓会としては、 京大や早大も東海地区で例会を開催していると聞いています。

法曹みどり会 幹事代表 大西正一
〒461-0001  名古屋市東区泉3−29−13
         大西正一法律事務所
 TEL 052−936−0024 FAX 052−936−0023



年会費の納入を!!


 現在の会員数は668人、 11年度の会費納入者は400人弱です。 会則では2年連続で会費を納めなかった場合に、 会員資格を失うことになっています。 会員には会報と東海地区同窓会名簿が無料で配布されます。 どうぞ誘いあって会費納入にご協力下さい。 会としては1,000人を目標にしています。
◎振込先〈年会費:3,000円〉
郵便局 00840=0=58879 東海銀杏会事務局
東海銀行黒川支店 普通:1203601 東海銀杏会



東京大学の沿革

その1

(東京大学前史)

藤村哲夫 (29工)


東京大学創立まで
 明治元 (1868) 年、 明治新政府は、 幕府の昌平坂学問所、 開成所、 医学所を接収、 復興して、 昌平学校 (国学、 漢学)、 開成学校 (西洋学)、 医学校 (医学) とし、 わが国の高等教育機関とした。
 明治2 (1869) 年6月、 太政官通達により、 昌平学校は大学校に、 開成学校と医学校はその分局になった。 昌平学校が大学校の本校になったのは、 当時の教育の根底に儒学が色濃くあったためである。
 明治2年12月、 大学校は大学に改称され、 開成学校は大学南校、 医学校は大学東校になった。 大学では、 国学者と漢学者の激しい対立があった。 さらに洋学者に対する攻撃もはじまった。 それだけでなく、 教員と学生の反目、 大学当局の分裂、 大学と教員・学生の対立など、 大学は、 四分五裂となり、 収拾がつかなくなった。 そのために、 大学は、 明治3年7月に閉鎖された。 昌平学校の流れはここで終焉した。
 明治4年7月、 文部省が設置され、 旧大学が、 その庁舎になった。 そして、 大学そのものが廃止されて、 大学南校は南校、 大学東校は東校に改称された。
 南校は、 講習所、 伝習所、 数学所で構成された。 講習所は専門学科、 伝習所は語学、 数学所は数学を教えた。 とくに語学と数学は学問の基礎として重視された。 専門学科は、 法科 (性法、 民法、 国法、 商法、 刑法、 万国公法、 経済)、 理科 (格物学、 器械学、 星学、 化学、 動植物学、 幾何学、 地質学)、 文科 (歴史、 文章、 弁論、 地理、 性理) で構成された。
 明治4 (1871) 年7月、 文部省は 「学制」 を発布した。 「全国ヲ大分シテ八大区トス、 之ヲ大学区ト称シ、 毎区大学校一所ヲ置ク」 というもので、 東京府が第一大学区に指定され、 南校は 「第一大学区第一番中学」、 東校は 「第一大学区医学校」 に改称された。
 明治6 (1873) 年4月、 学区についての方針変更によって、 第一大学区第一番中学は、 再び開成学校になり、 明治7年5月、 東京開成学校になった。 第一大学区医学校は東京医学校になった。
 明治10年 (1877) 年4月、 東京開成学校と東京医学校を合併して東京大学が創立された。

昌平坂学問所 (昌平黌)
 昌平坂学問所 (別名:昌平黌) は、 寛永年間に儒者林羅山が江戸上野忍岡に興した私塾が源流である。 儒学の衰退と共に一時その勢力を失ったが、 寛政2 (1790) 年、 官学に於いては朱子学以外を禁じるという 「寛政異学の禁」 が出されたのを機に再び脚光を浴び、 徳川家の旗本・御家人の教育機関として幕府所属の 「昌平坂学問所」 になった。 ここは漢学、 国学を修めるだけでなく例祭・文政も司り、 思想統制、 出版検閲、 官撰図書編纂なども担当した。

開 成 所
 開成所は、 徳川幕府が安政4 (1857) 年1月に設けた 「蕃書調書」 から発している。 文久2 (1862) 年に洋書調所、 3年に開成所に改称された。 蕃書調書の源流は、 貞享元 (1684) 年に徳川幕府が創立した天文方に遡る。 天文方は、 安井算哲 (後の渋川春海) が天文暦道を司る官として任命されて発足した。 最初は、 漢書を参考にしていたが、 西洋暦学を学ぶために蘭書を修めるようになった。 学問の範囲も天文学、 暦学を超えて、 測地事業、 地図編纂、 外国地理翻訳へと拡大していった。
 幕府が蕃書調書に期待していたのは、 洋学を修め、 広範な学問技術を開発することであった。 安政4年1月から生徒を入学させて、 教育機関としての役割も果たすようになった。
 蕃書調書は、 洋書の翻訳と洋学教育を二本の柱とし、 それに洋書・翻訳書の検閲、 印刷、 出版もおこなった。 研究、 教育の幅が広がるにつれて、 「調所」 という名はそぐわなくなり、 文久3年8月、 「開成所」 に改称された。 元治元 (1864)年の規則には、 和蘭学、 英吉利学、 仏蘭西学、 独乙学、 魯西亜学、 天文学、 地理学、 数学、 精錬学、 器械学、 物産学、 画学、 活字 (西洋印刷) が教科として挙げられている。

医 学 所
 医学所は、 安政5 (1858) 年5月、 江戸在住の蘭方医たちが神田お玉ヶ池に設けた私設の種痘所を源流としている。 当時、 漢方医は幕府の役人と組んで蘭方医を圧迫していた。 蘭方医は、 種痘の効果に着目して、 蘭方医の地位を確保すべく種痘所を設けた。 種痘の効果を認めた幕府は、 種痘の奨励に乗り出し、 万延元 (1860) 年10月、 種痘所を幕府直轄にした。 そして、 種痘だけでなく医学の研究、 教授の体制を整えていった。 種痘所は、 種痘、 解剖、 教育の三科を持ち、 医療機関と同時に研究・教育機関になった。
 文久元 (1861) 年10月、 種痘所は 「西洋医学所」 と改称された。 続いて文久3年2月に 「医学所」 になった。 「西洋」 の字が削られたのは、 西洋医学が主流の地位を得たので、 敢えて 「西洋」 を入れる必要がなくなったためである。

(主な参考文献 「東京大學百年史」)



東京大学外国人留学生支援

 東京大学外国人留学生後援会蓮実重彦会長 (東京大学総長) より東京大学同窓会連合会向坊隆会長に外国人留学生に対する支援要請がおこなわれ、 向坊隆会長から東海銀杏会松本省吾会長に支援依頼の書状が参りました。 一連の書類を今回の東海銀杏会通信に添付します。 この支援は国際貢献に重要な役割を果すもので、 同窓会連合会としても積極的な支援姿勢を打ち出しています。 東海銀杏会としてもできるだけの支援を致したく、 是非、 会員の皆様のご協力を宜しくお願い致します。


第1回

ゴルフ会参加の記

加藤貞美 (59医)


   「へたの横好きゴルファ」 の私は、 名門藤岡CCは初めてとあって、 早速、 参加を申し込みました。 当日の顔ぶれを見てびっくり、 参加者は、 みんな50代半ば以上の先輩ばかり、 30才代の私は、 何か場違いのところに入ってしまったという感じでした。
年齢の垣根を越えて和やかに  全員揃ったところで、 岡田啓作氏 (42法) による記念写真撮影。
 3月半ばとは言え、 ポカポカ陽気の晴天に恵まれ、 最長老小崎栄一氏 (25工) の組を皮切りに、 優勝を目指して、 それぞれ元気にスタートしました。
 1番ホールでの岡田氏のご親切なティショット撮影が仇、 みんな 「華麗なホーム」 を映像に残そうと緊張のあまりミスショットが続出、 私も力んで、 スタート第1球は林の中に消え、 前途多難を予感しました。
 案の定、 その後も、 ティショットは林間学校、 グリーン周りは砂遊び、 パットは往きつ戻りつのお散歩。 しかし、 同伴の長谷川惇雄 (36法)、 西村泰男 (37農)、 岡田啓作諸氏とのうちとけた雰囲気の中で楽しくプレーすることができました。
 技術だけでなく、 道具に期待する方、 口でプレーする方などさまざまで、 OB、 池ポチャ、 3パットの続出の中で、 たまにナイスショットやバーディも加わって、 和気藹々のラウンドでした。
プレー後の懇親
 プレー後、 世話人白神賢志氏 (40法) の司会で懇親に入り、 参加者15名が歳の若い順に自己紹介、 続いて表彰、 成績は、 優勝・近藤詔治 (40法)、 準優勝・多田明生 (36法)、 第3位・伊藤晃の諸氏でした。 近藤氏の優勝の弁で閉会になりました。 こうして、 第1回東海銀杏会ゴルフ会は大成功のうちに楽しく終りました。  帰りの車の中では、 反省しきり、 次回の優勝を夢見て家路につきました。


同好会からのお知らせ


東京大学音楽部管弦楽団 ‘99サマーコンサート

 東京大学音楽部管弦楽団‘99サマーコンサートが8月10日(月) 愛知県芸術劇場センターコンサートホールで開催されます。 後輩の活動を盛り立てる意味からも、 是非、 皆様のご参加をお願い致します。 ご案内のパンフレットを同封します。
 申し込みは東海銀杏会の事務局でもお受け致します。 (TEL 052−953−6661)


六大学野球トーナメント
入場券購入かご寄付を…!!

 恒例の六大学野球トーナメントが、 8月20日、 21日に岐阜メモリアルセンター長良川球場でおこなわれます。 梶原知事も地元発展のために力を入れている大会です。
 東海銀杏会でも後輩の地元での活躍を大いに支援することになりました。 昨年は皆様の暖かいご支援によって、 ほぼ目標の分担金を収めることができました。 ご案内書を同封致しますので、 今年も入場券の購入や寄付を宜しくお願い致します。 また、 会員以外の同窓生にも広くお伝え頂ければ幸甚です。

■お問い合わせ、 お申込み先は下記の通り。
小林孝之 TEL 052-201-5201 Fax 052-212-2125
     旭化成工業・名古屋支店長
松林正之 TEL 052-204-3111 Fax 052-204-6331
     大成建設名古屋支店・総括営業部長
振 込 先 東海銀行黒川支店 普通120−3601
     東海銀杏会 会計 岡田啓作

○ 囲 碁 同 好 会 ●

 今年の3月から囲碁同好会の会場を日本棋院中部総本部から 「アミーズメントなつめ」 に移して、 装いも新たに再出発しました。 会の名称を 「三もく会」 として毎月第三木曜日に開催します。 「午後三時から深夜まで、 好きな時間に来て、 好きなだけ打って帰る」 というフリータイム制です。

 気楽にご参加下さい。

費用:打ち代、 飲み代、 すべてを含めて4,000円
場所:「アミーズメントなつめ」 名古屋市中区栄4丁目12−1 栄グリーンビルB1 TEL (052) 241−2308


編集後記

寄稿歓迎

 私たちの母校、 東京大学は、 明治10 (1877) 年4月に創立され、 爾来、 現在まで120余年にわたり、 わが国の教育、 研究の中枢に立って、 その発展をリードしてきました。
 この間に、 東京大学、 帝国大学、 東京帝国大学、 再び東京大学と校名だけでも四度も変わりました。
 年を経るにしたがって、 卒業生の中にもその変遷を知る方が少なくなってきました。
 そこで、 幹事会の賛同を得まして、 本紙に 「東京大学の沿革」 を数回に分けて連載することにしました。 紙面の都合上、 ごく概略的な記述になりますが、 本学の輝かしい歴史を再認識して頂ければ幸甚です。

 この地方でも野球、 音楽会と本学のいろいろなイベントが催されます。 皆様の積極的なご参加により、 後輩たちを激励して下さるようお願い致します。

 東海銀杏会入会案内のパンフレットをつくりました。 会員1,000名を目指しています。 まだ入会されていない同窓生の方々に是非入会をお勧め下さい。 (T. F.)