会報誌「東海銀杏会通信」は、基本的に2月と8月の年2回、発行しています。

東海銀杏会通信 No.10

発行日:H14.2.8
発行人:東海銀杏会 編集人:藤村 哲夫
目次
平成13年度秋期例会報告
平成13年度 秋の講演「中部ビジネスモデル」
東京大学同窓会連合会・幹事会報告
新同好会 ぞくぞくと誕生!
囲碁同好会 三木会
ゴルフ同好会・第4回ゴルフコンペ開催のご案内
地域同窓会紹介「発展をめざす福岡銀杏会」
東京大学の沿革 その6
米国での心臓移植 結果と経過のご報告
事務局だより
編集後記

(各記事の最終部分にあるをクリックすると、この目次まで戻ります)

平成13年度 秋期例会報告
代表幹事・広報委員長 藤村哲夫(29工)
初の司会も堂々と 嶋田晋氏
初の司会も堂々と 嶋田晋氏

カッコいい!! 家田重晴氏
カッコいい!! 家田重晴氏

乾杯の石丸典生氏
乾杯の石丸典生氏

ごきげんに話も弾む
ごきげんに話も弾む

講演会・懇親会 130人、和やかに集う

 平成13年9月19日(水)、前回に引き続き、名古屋マリオットアソシアホテルで平成13年度秋期例会が開催されました。
 例会に先立ち、例年通り拡大幹事会が開催されました。今回は、本会の運営に対して広く意見を求めるために、幹事のみでなく、理事、連絡員の方々にもご参加頂き、運営上の諸問題、とくに財政問題や会員増強対策が話し合われました。
 同窓会は、マンネリ化すると衰退していきます。それに対処するよう、新しく発足した新企画委員会が進めている同好会活動の活性化が提案されました。

■講演会

 16時30分から嶋田晋氏(57工修)の司会によって、中部経済産業局長市川祐三氏(49経)の「中部ビジネスモデル」と題した講演がおこなわれました。
 その概要は次頁に掲載しますが、中部地域が持っている生産水準の力強さを具体的な数字を基に説明され、その原因の分析も極めて明快で、この地域に活動の場を持っている私たちは大いに心強く感じました。続いて取り上げられた「中部地域経済の将来への懸念」では、この地域の「創造的付加価値の獲得」、「産業構造の転換」、「国際化、情報化」などへの遅れが指摘されました。私は、今回の講演の主眼はこちらの方にあったと受け止めました。質疑がこれまでより遙かに多かったのは、この講演を聴いた人たちのそのあたりの懸念を反映していると思います。在籍二年の短期間に自らの足で集めた情報がベースになっていて、聴き応えのある講演でした。

■懇親会

 懇親会の司会も嶋田晋氏にご担当頂きました。恒例によって松本省吾会長(12法)の挨拶で始まりました。9月11日に起きたニューヨークでのテロ事件の直後であり、その印象が生々しい中で、全員が犠牲者の冥福を祈って1分間の黙祷を捧げました。
 続いて、水野事務局長(49工)から各委員会の活動状況が報告されました。その中で、とくに活動の活性化のための新たな同好会活動として、「施設見学」、「史跡探訪」、「旅行」、「音楽鑑賞」などの諸行事の実施を新企画委員会で進めているという報告がありました。
 石丸典生氏(26工)の乾杯の音頭によって宴会に入りました。
 今回のアトラクションは、家田重晴氏(59教博)のギターの弾き語りで、名古屋の街を読み込んだオリジナルソングを楽しみました。東海銀杏会も多士済々です。
 最後は、松林正之氏(41農)たちの壇上でのリードによって恒例の「ただひとつ」の大合唱で幕を閉じました。二次会も従来通りで、21時過ぎに流れ解散しました。

H13年度 秋の講演
中部ビジネスモデル〜体験論的仮説提示〜
中部経済産業局長 市川祐三(44法)
市川祐三氏
市川祐三氏

講演に聴き入る聴衆者

表1
図-1:鉱工業生産指数の推移(H7年=100)

図1
▲図-2:各地域別の製造品出荷額全国シェアの推移


▲図-3:入職率・離職率の全国比較(H12年愛知県 単位:%)


▲図-4:人口一人あたり出荷額(千円)

1.中部地域の経済活動の特色とその背景
卓越した「ものづくり」競争力の強さとその源泉

 この地域はバブル崩壊後も、一貫して全国を上回る生産水準を持ち、昨年夏バブル期を越え、昨年12月には歴史上最高の生産水準を持つ。近年、一貫して中部地域の対前年全国シェアは上昇していて、いづれ東京圏を抜くだろう。(図1図2参照)
 その源泉は、地域の大企業と中小企業をまわった経験からみると、次ぎの3点のユニークなファクターにあると思う。
第一は、企業経営トップの経営方針が極めて具体的で明確であり、末端まで徹底されていること。徹底した現場主義であり、いうまでもなく堅実経営で、この地は保守的と言われているが、周到かつ大胆な企業変革が出来ている。これら基礎となる「企業文化」に根ざしているのではないかと思う。この地域の企業の特色は「官営企業」や「財閥系企業」をオリジンにしていない地場資本的性格が強く、かつ、長年の歴史を通じた試練があり、オーナー企業の性格がつよいこと。この結果、企業組織が株式会社としての性格よりも代々引き継がれるべき「家産」としての性格を有していることが大きいポイントと思う。そう考えると「家産」ゆえに第三者からの経営への介入を避けたわけで、銀行から借り入れをしたくないのも、また、立派な企業でも株式上場したがらないのも当然という気がする。この企業文化が取引等を通じ、地域全体に浸透していることに気がついた。そこで一つの仮説として考えた。
 第二は、従業員の帰属意識が強いこと。企業への定着度が高いこと(離・入職率は全国平均以下、図3参照。各種生産性向上活動への積極的取り組みの仕方が、地場の企業はどこか違う雰囲気を感じている。企業においても積極的に技能評価と人材養成がされていることもあり、定着率が高いのではないか。
 第三に、最近注目される議論ではあるが、他の地域に例を見ない緻密な産業集積があり、集積の経済効果(技術や取引へのアクセスが容易、企業内に技術、ノウハウの蓄積)を享受している。一方、集積内では系列取引が行われているが、ここで激烈な競争を通じ効率性を追求していて、中長期的取り組みが可能になっていること。以上3点が他の地域と異なっている点と思う。(図4参照)

2.中部地域経済のパラドックス

 最近いわれている市場主義経済の原則は、いうまでもなく徹底した競争を通じて効率性を追求することにある。その際企業という枠にとらわれずに、労働と資本という生産要素の移動が容易に行われることが、効率性を高める上で、不可欠であるとするのが市場主義経済の原則である。これに対し、中部地域の経済は激烈な競争が行われてはいるが、資本、労働とも企業の枠を超えて移動せず、「一所懸命」である。しかし、この中部地域経済が、わが国で最も高いパーフォーマンスを示しており、これは市場主義経済の論理からすればパラドックスではないかと思う。その原因は”ものづくり”の性格にあるのではないかと思う。徹底した効率性を追及は必要であるが、ものづくりの分野では、技術、ノウハウの蓄積も大切である。したがって中部地域の経済のありようは、効率性という短期的課題と技術を蓄積するという中長期的課題を同時に達成できるという意味では、市場主義経済の限界を克服しているといえる。ものづくりの分野では、一つの中部ビジネスモデルと評価できるのではないかと思う。

3.将来への懸念

 その中部経済モデルについて、いくつかの懸念もある。
 近隣諸国の追随の下、コスト削減のみでは、対応に限界がある。
 クリエイティブな付加価値の獲得への方向が必要。たとえば研究、開発面で研究者や研究機関は、関西・東京に比して遅れている。また、生活文化面での体制整備の遅れ等も。さらに産業構造転換の遅れ(全国比で開・廃業率が低位)、産業空洞化の惧れ(海外進出、IT化等による産業集積崩壊)、国際化・情報化への対応の遅れ(国際知名度、発進力不足、デジタル産業、都市基盤等対応の遅れ)を懸念している。
 進むべき方向として,クリエイティブな付加価値の獲得に向け努力すること。創業への積極的な取り組みと支援をしていくこと。万博を国際化にうまく活用できないか。付加価値についていうと、私は陶器に関心があり、この地方の岐阜の陶器はキロ310余円で、じゃがいもより安い。愛知の陶器は500余円、日本で一番高いのは、京都の1000余円、しかし輸入は最低がイタリアの700円、ハンガリーは10,000円以上で買う人がいる。生活文化をベースにして,付加価値がつくれないか。情報化ではソフト産業をもっとこの地方は起こすとよいのでは。

4.東欧で思ったこと

 私は1989年から92年までの3年間ウイ―ンに駐在した。東欧諸国の情報収集が仕事であり、東欧革命に際し、様々な体験をした。チェコなど戦前はわが国より工業力は上回っていたのに、何故崩壊したのかを考えた。そして、ことがらの本質は資本主義が社会主義より優位というより、システム自身の問題であるとの結論に達した。
 社会主義社会は、国民から税金をとらない。企業から余剰の部分を政府が吸い上げて、それを使って赤字企業の補填をしたり、生活必需物資の補助をおこなうのが基本的なしくみである。経済停滞の原因は、政府を通じて、本来資本の再生産に向うべき企業内の余剰が吸い取られ、これが赤字企業の補填や生活必需物資への価格補助に費やされていることがわかった。本来企業の中で蓄積されるべき余剰がなされていないで、国民がそれを消費してしまっている。
 一方、戦後日本が経済成長できたのは何故か。東欧との比較で考えてみると、我が国では貯蓄が盛んで、それを間接金融を中心としたルートを通じて、極めて効率的に企業に投下し資本を促してきたことが主な要因であった。それにより労働者一人当りの資本装備率を上げ、それにより合わせて生産性を向上させ、得られた果実を資本と労働が分け合うことにより、所得の向上ががおこなわれた。またそれによって供給力需要も増大し、良い循環が行われた。産業政策の主眼を税とか財政投融資などにより、資本の投下・蓄積をできるだけ早くおこなわせることにあった。しかし日本の経済において、現在何が問題なのかと言うと、
ROE※1またはROCE※2が、1980年をピークに下がっていると言うこと。(アメリカやドイツでは、上昇している。)背景に実物資産(自己資本、他人資本の中で金融資産を除いた)に対し、利益率が低下している。すなわち資本の限界生産性が下がってきているのではないか。これからの超高齢化社会を目前にして、これまでのような経済成長への源泉が失われてきていることを懸念している。今後は、企業が潜在的活力を最大限発揮できるよう、制度面での環境整備をすすめることが、政策上での急務と思う。経済産業省が最近企業をめぐる規制改革や法律改革(商法上など)についてものを言い始めているのは、これが背景にある。

5.わが国経済の今後の取り組むべき課題

 近隣諸国の追い上げもあり、単純な資本投下による生産は限界になるのではないか。資本投下だけでは駄目。資本はインフラの整っているところへはどこでも出かける。資本がかつてのように、貴重なものでなくなってきている。残された手段は、資本投下については選別的、重点的に行うことが大切。クリエイティブな付加価値をつけるため文化生活での力をそそぐことが必要。今後強調したいのは、企業の持っている活力を最大限に活かしてもらうこと。それにはさまざまなインフラ整備とか、規制緩和を行うとか、制度を改めるとか、あるいは社会的コストを社会と企業との間で負担をみなおすことが必要。さきにも述べたとおり、資本と労働との結合関係はもう少し弾力化、流動化する必要があると思う。一所懸命の中部モデルと矛盾するが、今後の流れの中では、その方向に行くべきだと思う。
 以上は中部へ来て、まだ2年にならぬ自分の体験からの話です。


文中※1 ROE=Return on equity,株主資本利益率
  
※2 ROCE=Return on capital employed,投下資本利益率

東京大学同窓会連合会・幹事会報告
常任幹事 松林正之(41農)
平成13年12月6日(木)18時30分から学士会館分館で東京大学同窓会連合会幹事会が開催されました。
東海銀杏会から私が出席しました。主要なところのみご報告します。(お問い合わせは東海銀杏会事務局まで)
日吉代表幹事挨拶
 幹事会は同窓会連合会日吉章代表幹事(34法)の挨拶で始まった。とくに新任の佐々木総長は、大学と同窓会との連携を強化したいという強い意向を持っていることが報告された。

幹事会議事
(1)報告事項:東京大学との意見交換会模様について
(2)21世紀記念事業について
(3)全国地域組織統合会員名簿の編集について
(4)会員の拡大について


東京大学との意見交換会報告
 平成13年9月19日(水)、同窓会連合会と東京大学との意見交換会がおこなわれた。
 この意見交換会は、同窓会として母校にどんな貢献ができるか、大学から何を期待されるかについて、忌憚のない意見交換をおこなうという主旨で開催されたものである。
 連合会側から地方同窓会と連合会の組織化の状況報告があり、卒業生名簿整備の進め方が話し合われた。大学側からは、留学生支援に対する同窓会への謝意と日本人学生も含めた学生生活の実態が披露され、最近の学生の学力低下とその向上策が議論された。
 21世紀記念事業として考えられている「ホームカミングデー」に於ける大学OBの関わり方について議論され、今後も意見交換をおこなうことになった。
 大学病院の新病棟の披露、運動部の活動への期待、災害救援ボランティア活動の推進、他大学との人材交流、日米の定年についての考え方の差、ノーベル賞とロビー活動など多岐ににわたって意見が交わされた。
 最後に、2年後の「独立行政法人化」を巡る大学経営の在り方についても真剣な議論がおこなわれ、同窓会としてもできるだけの協力をすることを申し出て閉会した。
 年に一度程度、意見交換会を持ちたいという双方の意向である。
 (この日は、東海銀杏会総会に当り、東海銀杏会からは出席していない)

21世紀記念事業・ホームカミングデイ
21世紀を機に、卒業生の母校への理解と懐旧を促し、その連帯感を深めることを目的にして、2002年春から5年間にわたって毎年1回程度実施する。
 同窓会連合会が主体となって全学同窓会に呼びかけ、大学当局の協力を得て、学内の諸設備の見学会、講演会等をおこなう。その実行委員会に各会から1名企画委員を派遣してもらいたいと要請された。


東京銀杏会主催・トップフォーラムについて
 東京銀杏会では、第7回トップフォーラムを次の通り企画していて、各同窓会から多数出席して頂くようPRを依頼された。

日 時:平成14年3月9日(土)13:30〜17:00
場 所:鹿島KIビル(赤坂)
テーマ:パネル討議「21世紀、国際社会における日本の在り方を考える」

出席を希望する方は、詳細を東京銀杏会に問い合わせのこと。
東京銀杏会としては、今後、各同窓会との共催も希望している。


第1回ホームカミングデイの予定
 1月26日、ホームカミングデーの実行委員会が開催され、東海銀杏会からは、代表幹事渉外委員長の中野淳司氏(36法)が出席し、第1回ホームカミングデーの予定が次のように決った。

 開催日時:平成14年6月8日(土)13時より
 内  容:総合研究博物館見学
      講演会(講師:佐々木毅総長)
      懇親会(17時頃より)
 場  所:本郷キャンパス
なお、第2回以降の予定は次の通り
 第2回 2003年 駒場キャンパス
         (構内見学・オルガン演奏)
 第3回 2004年 柏キャンパス
         (構内・検見川薬用植物園他見学)
 第4回 2005年 富良野(北海道演習林見学)
 第5回 2006年 弥 生(農学部・小石川植物園見学)
新同好会 ぞくぞくと誕生!
「新企画委員会」が発足し、積極的な取り組みを開始しました。
メンバーは、藤村哲夫(29工)、池澤宏郎(33薬修)、吉村脩(35経)、磯部克彦(36法)、木戸泰明(42工)、清水順二(49工)、田中茂義(54工)、嶋田晋(57工修)、増田康裕(56経)の諸氏です。メンバーのご尽力によって、新しい同好会が次々に誕生しました。まだ、この他にもみんなで一緒に楽しむ事柄がたくさんあります。
新企画委員会に参加して頂ける方がありましたら、お申し出ください。



施設見学会 お世話役 木戸泰明

◆第1回施設見学会「トヨタ産業技術記念館」


上記写真は第1回施設見学会での風景

新企画第一弾として、「トヨタ産業技術記念館・見学会」を10月6日(月)に開催しました。当日は秋の晴天に恵まれ、さわやかな雰囲気の中での見学でした。参加人数は7名で、それほど多くはありませんが、トヨタ自動車の久山大三さん(54法)のはからいで、副館長の近藤さんから丁寧な説明を受けることができました。
 小ホールでの映像による概要説明のあと、繊維機械館、自動車館と回りました。
 さすがに歴史的な繊維機械の頃の記憶がある方は少なかったのですが、自動車になると、この車が発売された時、あなたはいくつでしたか、などの質問が飛びかい、参加者の年令層の幅を感じました。特に「隣の車が小さく見えます」で有名なカローラには思い入れのある方が多く、キャッチコピーと共に昔を懐かしんでいた様子がうかがえました。
 見学後のビールは格別に旨く、自然に会話も弾んで、有意義な時間を過ごすことができました。

◆第2回施設見学会「ノリタケの森」ご案内

 第2回は「ノリタケの森」の見学会をおこないます。「ノリタケの森」は?ノリタケカンパニーリミテド(元日本陶器?)の発祥の地です。広大な敷地に芝生を敷き詰めた、ゆったりした公園で、その中にウエルカムセンター、クラフトセンター、ノリタケミュージアム、ノリタケの森ギャラリー、レストランの施設や古い煙突や窯などがあって、自分で画付けも楽しめる施設もあります。名古屋駅に近くて見学者も多く、見学者からは高い評価を得ています。当日は、藤村哲夫氏(29工・元日本ガイシ)のはからいで、ノリタケの森の方からのお話も聞くことになっています。ぜひ、ご参加下さい。

日  時:平成14年4月14日(日) 14時〜
集合場所:ノリタケの森・ウェルカムセンター
名古屋市西区則武新町三丁目1番36号
地下鉄東山線「亀島駅」下車、徒歩5分
見  学:クラフトセンター(陶磁器の製作方法など)、ヒストリカルゾーン(近代陶業発祥の地)、煙突ひろばなど庭園散策
懇親会:見学終了後(17時頃〜)館内レストランにて(希望者)

連絡先:企画委員 
木戸 泰明(42工、(株)リョーイン・岡崎営業所)
岡崎市小針町字亀ヶ渕28番6 〒444-0907
電  話:0564-31-1487  FAX :0564-31-1580
E-mail:y.kido@ryoin.co.jp

三英傑の遺構を訪ねる会」 お世話役 清水順二

 この会は、この地方出身の三英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康のゆかりの地を訪ねる会です。今後は、年2回位のペースで実施する予定です。

◆第1回「信長出世の足掛かり」

 第1回は織田信長の出世の足掛かりとなった遺構を見学します。
日  時:3月10日(日) 10時〜16時30分(小雨決行)
集合場所:大須観音
見学コース:大須萬松寺(信長の父信秀の葬儀が行われた寺、信長が香をぶちまけたことで有名。名古屋城造営後、この地に移転)〜清洲城(信長の初期の本拠)〜桶狭間古戦場(信長が今川義元軍を奇襲で破った所)その他、高徳院寺、有松絞会館など見学
移動手段:公共交通機関
懇親会:手打ちうどん店「寿限夢茶屋」(希望者のみ)
場所は有松絞会館の向かい

◆第2回「信長の岐阜侵攻」

 第2回は10月頃、墨俣、岐阜城などを訪ねる予定です。

連絡先:
清水順二(49工・(株)山田商会)
電 話:025-871-9811  FAX :025-871-9869
E-mail:shimizu@yamada.tix.ne.jp

旅行クラブ
 旅行クラブは、藤村哲夫氏のお世話により、同氏の故郷「長州を訪ねる旅」を企画をしました。詳細は、別紙記載しました。今後のお世話役を募集中です。

連絡先:藤村哲夫(29工)
電話・FAX:052-832-4556
E-mail:fujimura@bd.mbn.or.jp

音楽鑑賞会
 吉村脩委員を中心に近く発足を計画しています。目下、企画運営スタッフを募集中です。
囲碁同好会 三木会
斎藤 勉(49法)、藤村哲夫(29工)
奥村プロの三面指導碁も
奥村プロの三面指導碁も
会員数40名を超え、対局会もますます盛んに

 囲碁同好会「三木会」は、所裕幹事(32法)の献身的なお世話と、長谷川秀曼、岡田啓作幹事のご尽力によって、たいへん活発になりました。第3木曜日に「アミューズメントなつめ」でおこなっている毎月の例会の出席者は10名を越えています。
 とくに昨年の8月例会は、所幹事の特別なお世話によって8月9日(木)に銀行協会の広間で開催されました。料理はホテルオオクラレストランの出張サービスでした。
 出席者は15名、アマチュアトップクラスから初心者まで、各々自分の力に応じた力戦を楽しみました。所幹事にはひたすら感謝の一言です。
 今年の新年初打会も所氏のお世話で1月24日(木)に銀行協会で行われました。今回も16名の出席があり、特別ご参加の日本棋院中部総本部所属 奥村英夫七段の指導碁もあって、和やかな雰囲気の中で丁々発止と烏鷺を戦わせました。会食はホテルオオクラレストランの中華料理で舌鼓を打ちました。
 新同好会が次々に誕生する中で、こうして、先輩同好会も負けずに気を吐いています。
 腕前は一切問いません。石を握れる方は、三木会に是非ご参加下さい。


例会日:毎月第三木曜日、17時より、三々五々集合
会 費:5,000円(飲み放題・うち当面の運営費1,000円)、軽食(500円)
会 場:アミューズメントなつめ(栄グリーンビルB1)
TEL:(052)241-2308
幹 事:所   裕/TEL(052)231-7851・(社)名古屋銀行協会
    長谷川秀曼/TEL(052)872-0551・(株)ニートレックス
    岡田 啓作/TEL(052)914-8222・(株)啓文社
東海銀杏会ゴルフ同好会 第4回 ゴルフコンペ開催 4月21日(日)ベルフラワーC.C.にて
世話人:
久保田 勲(40法・旭硝子) 
TEL. (052)583-2872
松林 正之(41農・大成建設)TEL. (052)562-7520

 ゴルフコンペもますます好評を博していて、参加者は第1回15名、第2回27名、第3回30名と回を重ねるごとに増えています。
 今回も楽しく盛大におこないたいと思います。前回をさらに上回る参加を期待しています。奮ってご参加下さい。


■日時/平成14年4月21日(日)
スタート時間は案内状に記載
■場所/ベルフラワーカントリークラブ (昨年と同じ)
    岐阜県瑞浪市日吉町8671-1 TEL. (0572)64-2121
■申込/登録メンバーの方には、直接ご案内致します。
    未登録の方で、案内をご希望の方は下記までご連絡下さい。
連絡先:松林正之(41農、大成建設名古屋支店)
    FAX(052)562−7518
地域同窓会紹介
発展を目指す福岡銀杏会
福岡銀杏会事務局 本郷 譲(54法)
福岡銀杏会本郷譲様より東海銀杏会通信「地域同窓会紹介」用に記事を頂きました。福岡銀杏会に連絡を取りたい方は東海銀杏会事務局にご連絡下さい。

●発足の経緯

 福岡銀杏会は、東京大学同窓会連合会よりの「改革の時流の中で、国立大学の独立行政法人化を見据え、東京大学同窓生のパワーを集結する場をつくりたい」との呼びかけを受け、当地福岡県において、東京大学同窓生同士の交流や、大学との情報交換の場を提供していくことを目的として、平成11年7月に発足しました。
 以来、山下敏明会長を中心に副会長5名、幹事11名が世話役となり、年1回の総会の開催(昨年9月10日に第3回総会を開催)と、会報の発行を中心とした活動をおこなっています。現在の会員数は268名です。

●活動概要

 福岡銀杏会では、会員の皆さまに年齢や業界の枠を越えた情報交換や交歓の場を提供すべく、総会と同時に講演会及び懇親会を開催しています。
 昨年の講演会では、RKB毎日放送株式会社 永守良孝 取締役報道局長に「最近の政治情勢」という標題で、表面からは見ることのできない政治報道の裏側を、日本と韓国の事例をもとに、分かりやすくお話しいただきました。福岡県と関連の深い隣国韓国と日本の関係について、めったに耳にすることのない貴重なお話を伺うことができ、参加された会員の皆さまからは、大変好評を博しました。
 このほか、会員の皆さまからの投稿や短信を掲載した会報(同窓会名簿)を発行し、福岡地区における東京大学同窓会同士の懇親や情報支援を進めております。
 これまでの講演は次の通りです。

平成11年7月:「東京大学の現状と今後」
        東京大学副学長 
青山 善充
平成12年9月:
「持続可能な地球をめざした国際学術協力(AGS)の推進」
        東京大学工学部教授 
花木 啓祐
平成13年9月:
「東京大学の現状と今後」
        RKB毎日放送株式会社取締役報道局長 
永守良孝

●今後について

 福岡銀杏会の活動を通じて、同窓生の交流がより深まるよう、活動そのものの充実と共に、会員数の増加を図りたいと考えています。

東京大学の沿革 その6
藤村哲夫(29工)
戦時下の東京帝国大学

新思想と大学

 第一次世界大戦後、大正デモクラシーと呼ばれる新思想がわが国に入ってきた。
 社会主義、共産主義、無政府主義などの思想に基づく言論活動が活発になり、それに対抗する勢力も学内に根強く存在して、両者の抗争が激しくなり、また、大学の自治と学問の自由を守ろうとする大学側と国家主義、全体主義を貫こうとする政府側との間にも軋轢を生じた。
 その中で、時代のオピニオンリーダーとして本学の果たした役割は大きかった。
 昭和に入って、わが国は、満州事変、日中戦争、太平洋戦争へと戦争を拡大していった。戦時体制の強化と共に赤化学生に対する弾圧は厳しくなり、また、政府の方針にそぐわない教授、助教授の追放も起きた。
 こうして幾多の思想事件が発生したが、本稿では、それについての言及はさておき、戦時体制に対応する「東京帝国大学の変革」のみを取り上げる。

戦時体制への対応

 戦時体制の強化に応じて、本学の学部・学科および研究所の創設・再編がおこなわれた。
 日中戦争の激化に伴って、戦地に派遣する医師が不足してきた。各大学は、軍から医師の増員を強く要請された。それに応えて、昭和14(1939)年、全国の帝国大学7校と医科大学6校に「臨時付属医学専門部」が設けられた。
 昭和14年、工学の学際的な綜合研究と外部からの受託研究を推進するために「工学部付属綜合研究所」が設けられた。これも軍部からの委託研究の増加が契機であった。したがって、当初の委託研究の大部分は軍からのものであった。
 軍需産業をはじめとする工業の発展に伴い、工業技術者の需要が増大した。それに応えるために、昭和17年、「第二工学部」が千葉市の近くの稲毛に新設された。そして、本郷にある既存の工学部は「第一工学部」となった。
 わが国の東南アジア政策の一環として、南方地域の農業開発の指導者を養成するために、昭和17年、農学部に「熱帯農業員養成所」が設置された。
 南方地域に於ける生活、資源に関する自然科学的学理およびその応用を総合的に研究する機関として、昭和19年、「南方自然科学研究所」が設けられた。しかし、この頃には南方の戦争は激しくなっていて、研究所員が現地に赴くことはできなかった。
 昭和20年1月、電波兵器の開発のために「輻射線化学研究所」が設けられたが、時既に遅く、研究成果が殆ど得られないままに終戦を迎えた。
 文系の研究所としては、昭和16年、「東洋文化研究所」が設けられた。この研究所の設立の主旨は「東亜を中心にして広くアジア大陸、南洋にわたる文化を総合的、根本的に研究する」ものであった。

軍部と大学

 軍部の学校への関与は古くからあった。
 大正時代の末期に陸軍から学校での軍事教練強化の要請を受けた政府は、大正14(1925)年に勅令で「陸軍現役将校配属令」を発し、官立、公立の中学校、専門学校に配属将校を強制的に配置し、大学や私立学校には、学校側の申請によって配置することにした。
 このような軍事教練の強化を糸口として、軍部が大学に対して学内体制や教育思想にまで干渉してくるのではないかと懸念されたが、政府の強い要請によって、多くの大学が仕方なく配属将校を受け入れた。
 本学でも、受け入れに強い反対論はあったが、最終的には受け入れた。
 一方、軍部は本学の根強い反対を意識していた。反発の影響の大きさを懸念し、本学に派遣する配属将校の選任にあたっては特別に神経を配り、学内への干渉を最小限に抑えたので、実質的には大した被害はなかった。
 高専、大学卒業生には、入隊後、いきなり将校に昇進させる幹部候補生制度があり、軍部は、教練を受けた学生にその制度についての特別な恩典を与えたので、軍からの徴用を意識して、本学の殆どの学生が軍事教練を受けた。
 戦争の激化に伴って、昭和17(1942)年には軍事教練は必須科目になった。
修業年限の短縮
 戦争が激しくなると、若者を一刻も早く社会で活用したいという要請が強くなった。それに応じて、政府は昭和17年3月卒業予定者の修学年限を3ヶ月短縮して昭和16年12月、翌年には、さらに3ヶ月切り上げて9月に卒業させることにした。
 本学の総長は、文部大臣に「大学の修業年限短縮は、わが国の教育、学問の百年の大計を誤るものである」と強硬な反対意見書を提出したが、政府は、勅令によって卒業の繰り上げを強行した。
 昭和20年には、中学、高校、大学予科、高専も修学年限が1年短縮され、中学は4年、高校、大学予科、高専は2年で卒業となった。
 戦争の拡大と共に学徒勤労動員は強化され、昭和18年には、殆どの学生が勤労動員のために授業が受けられない状態になった。
 こうして、戦争は、わが国の学校教育を崩壊させた。

学徒出陣

 昭和18年10月から学生に対する徴兵執行猶予が停止された。続いて、昭和18年12月に徴兵年齢が20歳から19歳に切り下げられた。理工系学生は入営延期が認められたが、徴兵年齢に達した文系の学生は、学業半ばにして戦場に駆り出されることになった。
 本学から出陣した学徒の数は定かではないが、二千数百人と想定されている。
 そして、多くの優秀な学生たちが帰らぬ人となって終戦を迎えた。

「渡航移植へのご支援 ありがとうございました」
 〜米国での心臓移植 結果と経過のご報告〜
名古屋大学 島田俊夫(45工修)
 米国で心臓移植を終えて無事に帰国しました。振り返ってみますと、2000年9月に病状が悪化したため補助人工心臓を付けて国内での心臓移植を待ったのですが、国内では年間数例しか心臓の提供はなく、移植を受けられる可能性は殆どない状態でした。そのため渡航して移植手術を受けようと決意しました。
 非常に多くの方が支援してくださったおかげで2001年6月26日に渡航することができ、8月4日に移植を受けました。術後の経過は特に問題なく、10月30日に帰国いたしました。移植にいたるまでの間に何度か死の危機がありましたが、その都度乗り切ることができたことは大変幸運だったと思います。
 1年2ヶ月ぶりの自宅はとても懐かしく、生きて帰ってきたことを大変嬉しく思いました。その後も拒絶反応や感染症はなく、無事にお正月を過ごすことができました。
 ここまで来ることができたのは、東海銀杏会の方々をはじめ非常に多くの方々の協力を得られたためで、心からお礼申し上げます。
 新聞やテレビでは殺伐としたニュースが多いのですが、現実はこんなにも多くの心温かい人々が存在することを嬉しく思います。
 外国人の患者を受け入れ、心臓を提供してくれる米国の寛大さに改めて感謝したいと思います。
 また年間2000件を越える心臓の提供がある米国の現実を素晴らしいことと感じました。日本では年間数件の提供しかなく、大部分の待機患者の方々が亡くなられています。
 死に当たって他人の命を救うという最高の愛のプレゼントが今後増えて行くことを願い、一日一日を感謝して生きたいと思います。
事務局だより
水野秀昭(49工)

若い世代を中心に輪を広げていこう

私が東海銀杏会にかかわるようになって、本年は15年目になります。東大に全学同窓会を作ろうという銀杏会活動は1987年に始まったそうですから、その歴史のほとんどを伴にしてきた事になります。
 自分としてはずいぶん長い間、それもどっぷりと漬かってしまって、そろそろ手を抜かしてもらっても良いのではと思っているのですが、会の中では相変わらず若手の方で(50歳なのに)、将来を託されている(?)という立場は一向に変わりそうもありません。
 同窓会というものの性格上必ずしも若い世代が中心になる事はないのですが、新しい人にもっと参加してもらって、今後の役割を担ってもらうことが出来ないものかと考えるこの頃です。
 さて、人生の尺度から見ればそこそこの歴史を持つ東海銀杏会活動ですが、百有余年の東京大学からするとやっと始まったところ、というよりもまだまだ産みの苦しみの中にあります。
 将来、東京大学同窓会連合会が同窓会本部とでもいうべき組織に発展し、十分な財政基盤と全同窓生の名簿管理システムを持てるようになれば、我々地方組織は行事活動にのみ専念できるようになるでしょう。ただ、現状においては各地方組織ごとに同窓生を把握し、会費納入をお願いして独自の活動財源を確保していかなければなりません。
 そんなわけで、今年も会員増強を主たる目標のひとつとしてまいりますので、お近くに未加入の同窓生がおみえでしたら、事務局まで進んでご紹介ください。皆様方のご理解とご協力を切にお願い申し上げます。
編・集・後・記
寄稿歓迎!
 東海銀杏会通信は、一つの節目として、第10号の発行に至りました。ご協力いただきました皆さまに心から感謝致します。
 とくに、毎回、講演から「テープ起こし」をして、その要旨を所定の長さの記事に纏めて頂いています広報副委員長 淺野道子さんのご苦労に感謝しています。ご本人は「楽しみながらやっていますよ」と言っていますが、名古屋市在勤中に講演や会議の記録纏めなどで鍛えてこられた腕前の発揮と敬服しています。
 島田俊夫先生の米国に於ける心臓移植が成功されましたことを心からお祝い申し上げます。お礼状にあります日米の一般市民の医療に対する貢献の在り方の差に心をつまされる思いがしました。最後の文の「自分の死に当って他人を救うという最高の愛のプレゼント」に心を打たれました。とはいっても、苔むした私の心臓は誰にも受け取ってもらえないと思いますが。
 新企画委員の精力的な貢献によって、新しい同好会がぞくぞく生まれつつあることは、たいへん喜ばしいことです。これらが、ますます発展することを祈念しています。それには、なんといっても参加者が多いことです。時間の許す限り、できるだけ多くの方のご参加をお願い致します。参加だけでなく、新しくつくる方にもご協力下さい。
 既存の囲碁、ゴルフ同好会も、新発足の同好会に負けないように、お世話役のみなさんのご尽力によって、ますます発展の方向に向かっています。総会、例会だけでなく、このような周辺の盛り上がりが全体を盛り上げる力になります。お世話役のご苦労に感謝します。
 淋しいことは、本号にみなさんからの随想などの寄稿がなかったことです。前号の小玉俊一さんの「開業・雑句薔薇蘊」は大好評でした。みなさんの気楽なご寄稿をお待ちしています。
 世の中の景気は一向に好転する兆しがありませんが、私たち一人ひとりは、明るく元気にこの一年を過ごしましょう。

予告  次回の秋の例会は9月17日(火)です

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